簡易シリアル通信テスタ

waveform

Rev.2.02 : Jul. 13 2012

test232c は 600 〜 7.3728Mbps の広い範囲の通信速度に対応している 非同期シリアル通信または同期シリアル通信用の簡易テスタです。
組み込み機器のシリアルコンソールの動作確認や産業機器の制御ラインやフォトカプラの通信確認に適しています。

Prototype PCBsch

AHDL テキストデザインファイル

test232c.tdf click to unfold/fold

Download Qualtus II project files test232c-2.02.zip 652 kB [zip]

特徴


通信速度

通信速度は基板上のプッシュスイッチを短押し(約0.4秒以下)するごとに
600→1200→2400→4800→ 9600→14.4k→19.2k→38.4k→57.6k→
115.2k→230.4k→460.8k→9.216M→ 1.8432M→3.6864M→7.3728M→600 [bps]
のように順に変えられます。

通信速度表示例
PS

データ送出

基板上のトグルスイッチをONにすることでデータの送出が始まります。
ON の場合には基板上の TXON インジケータの LED が点灯します。
OFF の場合には出力はハイインピーダンスではなくインアクティブなレベル出力になっています。
DIP スイッチの 'HFC' が 'ON' に設定されている場合には CTS 入力によるハードウェアフロー制御が行われます。

通信フォーマット

通信フォーマットは基板上の DIP スイッチで設定します。
通信フォーマットは基板上のプッシュスイッチを長押し(約0.5秒以上)することで確認できます。
プッシュスイッチを長押しした場合には通信速度は変更されません。
送出信号のアサートレベルを 'H' にするか 'L' にするかは基板上の DIP スイッチで変更できます。
DIP スイッチの 'TXINV' を 'ON' にした場合には 'L' レベルがアサートレベルになります。
'TXINV' が 'ON' の場合には通信フォーマット表示時に左側にマイナス記号−が一緒に表示されます。
受信信号のアサートレベルを 'H' にするか 'L' にするかは基板上の DIP スイッチで変更できます。
DIP スイッチの 'RXINV' を 'ON' にした場合には 'L' レベルがアサートレベルになります。
'RXINV' が 'ON' の場合には通信フォーマット表示時に右側にマイナス記号−が一緒に表示されます。
'HFC' が 'ON' の場合には通信フォーマット表示時に右端の DP が点灯します。

●非同期通信
通信フォーマットを '7E' (7 bit even parity), '7O' (7 bit odd parity) または '8n' (8 bit no parity) に設定した場合には ASCII コードの 0x20〜0xFE の文字が 順次送出され、続いて DIP スイッチ指定した行末コードが送出されます。
DIPスイッチの 'CRLF' が 'ON' の時には行末コードは 0x0d, 0x0a になり、'Off' の ときには 0x0a になります。
'CRLF' が 'ON' の場合には通信フォーマット表示時にピリオドが一緒に表示されます。
行末コードの後も空き時間無しでまた 0x20 からコードの送出が続きます。
通信フォーマットを 'FF' (8 bit no parity, all code) に設定した場合には ASCII コードの 0x00〜0xFF までのコードが順次繰り返し出力されます。
スタートビットとストップビットは常に 1 ビットで変更できません。

非同期通信フォーマット表示例
asyncronous communication format

●同期通信
通信フォーマットを 'N9', '15', '23' に設定した場合にはそれぞれ、
ITU-T Rec. O.153, O.151, O.151 及び O.150 準拠の 9段, 15段, 23段の 擬似乱数列が送出されます。
通信フォーマットを 'un' に設定した場合には、送出ビット毎に 'H', 'L' が反転する矩形派が出力されます。

同期通信フォーマット表示例
syncronous communication format

擬似乱数の波形例(N9)
PN9 waveform

エラー測定及び通信状態表示

送出信号 TxD を非測定回路を経て受信入力 RxD に接続することによって 簡易エラー測定ができます。
受信入力と送出信号は各送出ビットの後端で比較しています。1ビット分以上の伝送遅延 がある場合には計測出来ません。
非測定回路を接続し、基板上のトグルスイッチ 'TXON' を 'ON' にすると 通信エラーのカウントを開始します。
カウントしたエラーの個数が 9999 個を超えると最上位桁に 'E' を表示して桁あふれ のまま計数を継続します。
'TXON' を 'Off' にすることによりエラーカウントは 0000 にリセットされます。
ビットレートの変更時にもエラーカウントは 0000 にリセットされます。

ある単位時間(約 16.7ms)毎のエラーの発生状況は表示器の DP (小数点部)で表されます。
左側2つ(左から1,2番目)の DP だけが点灯しているときには 'H'固着エラーが疑われます。(例:プルアップ過多、部品故障など)
右側2つ(左から3,4番目)の DP だけが点灯しているときには 'L'固着エラーが疑われます。(例:ケーブル抜け、電源断など)
中央2つ(左から2,3番目)の DP だけが点灯しているときには論理レベルの反転が疑われます。(例: 論理間違い、DIPスイッチの設定違いなど)
ランダムなエラーのときは1つ〜4つの DP がランダムに点灯します。

エラー表示例
Errors

TXONインジケータはデータ送出許可時に点灯します。
CTSインジケータはデータ送出中に点灯します。

信号入出力

シリアル通信テスト用の入出力は次の3本です。
他に次の補助信号出力を備えています。

DIP スイッチ

スイッチ略 号説 明
DIPSW-1TEST ON: 同期通信, OFF: 非同期通信(RS232C)
DIPSW-2NONE ON: パリティ無し(RS232C)
DIPSW-3ODD ON: 奇数パリティ, OFF: 偶数パリティ(RS232C)
DIPSW-4TXNEGON: 出力信号(TxD)の論理レベル反転
DIPSW-5RXNEGON: 入力信号(RxD, CTS)の論理レベル反転
DIPSW-6CRLF ON: 行末記号 = CR+LF, OFF: 行末記号 = LF
DIPSW-7HFC ON: ハードウェアフロー制御 (CTS 制御)あり
DIPSW-8TXON ON: 送信開始

仕様

●信号レベル
出力 : 出力インピーダンス 50Ω, レベル 0V/2.5V(終端時)
入力 : 入力インピーダンス 100kΩ, 3.3V-LVTTLレベル
    絶対最小入力電圧 : -0.3V
    絶対最大入力電圧 : +5.5V

●電源
+5VDC / 80mA(max)

詳細未定

使用例

高速アナログフォトカプラ 6N135/6N136 - この記事での測定に使用しました。

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