ドラッグストアで買えるものと皮膚科でよく処方されるもの
本ページは、家庭で遭遇する機会の多い外用副腎皮質ステロイド剤について、 市販薬(OTC)から皮膚科で日常的に処方される薬剤までを俯瞰的に整理した技術ノートです。 化学・薬学・医学的素養を持つ読者を想定し、強度分類、薬物設計(ante-drug)、 および併用成分の観点を意識して記述しています。
【免責事項】本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、
個別の医学的助言を構成するものではありません。
記載内容の利用によって生じたいかなる結果についても、責任を負うものではありません。
【注意】実際の使用にあたっては、必ず医師または薬剤師の指導のもと、用法・用量を遵守すること。
【禁忌】感染症(細菌・真菌・ウイルス)を主因とする病変には、原則として外用ステロイドを単剤で使用してはならない。
| 区分 | 英語表記 | 代表的成分 |
|---|---|---|
| 最強 | Strongest | クロベタゾールプロピオン酸エステル、 ジフロラゾン酢酸エステル |
| 非常に強い | Very Strong | アムシノニド、 ジフルコルトロン吉草酸エステル、 ジフルプレドナート、 フルオシノニド、 ベタメタゾンジプロピオン酸エステル、 ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル、 モメタゾンフランカルボン酸エステル、 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン |
| 強い | Strong | デキサメタゾン吉草酸エステル、 デキサメタゾンプロピオン酸エステル、 デプロドンプロピオン酸エステル、 フルオシノロンアセトニド、 ベタメタゾン吉草酸エステル |
| 中等度 | Medium | アルクロメタゾンプロピオン酸エステル、 グリメサゾン、 クロベタゾン酪酸エステル、 デキサメタゾン、 トリアムシノロンアセトニド、 ヒドロコルチゾン酪酸エステル、 プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル |
| 弱い | Weak | エキザルベ、 ヒドロコルチゾン、 プレドニゾロン |
アトピー性皮膚炎・蕁麻疹には リビメックス、虫刺されやかぶれには ムヒアルファ EX がお勧めです。
プレドニゾロン吉草酸エステルは アンテドラッグ (ante-drug) と呼ばれる 皮膚内で活性化し、全身移行性が低い 薬の一つです。
| 成分 | 分類 | リビメックス | リッチゾン | 新エミリエント | ムヒアルファS | ムヒアルファEX |
|---|---|---|---|---|---|---|
| プレドニゾロン吉草酸エステル Strong |
副腎皮質ステロイド アンテドラッグ |
1.5mg | N/A | N/A | N/A | 1.5mg |
| デキサメタゾン酢酸エステル Strong |
副腎皮質ステロイド | N/A | N/A | 25μg | 25μg | N/A |
| コルチゾン酢酸エステル Weak |
副腎皮質ステロイド | N/A | 3mg | N/A | N/A | N/A |
| グリチルレチン酸 steroid-sparing |
抗炎症補助成分 | N/A | 5mg | 3mg | N/A | N/A |
| ジフェンヒドラミン塩酸塩 | 抗ヒスタミン薬(鎮痒寄り) | N/A | N/A | 10mg | 10mg | 10mg |
| マレイン酸クロルフェニラミン | 抗ヒスタミン薬(H1 拮抗) | N/A | 3mg | N/A | N/A | N/A |
| クロタミトン | 鎮痒薬 | N/A | N/A | 100mg | 50mg | 50mg |
| 塩酸ジブカイン | アミド型局所麻酔薬 | N/A | 2mg | N/A | N/A | N/A |
| イソプロピルメチルフェノール |
殺菌剤(IPMP) | N/A | 1mg | 1mg | 1mg | 1mg |
| トウキ軟エキス |
抗炎症補助(生薬) | N/A | N/A | 36μg | 36μg | 36μg |
| アラントイン |
組織修復成分 | N/A | N/A | 36μg | 36μg | 36μg |
外用抗ヒスタミン剤は掻痒感の軽減を目的とするものであり、 炎症そのものを抑制する作用はステロイドとは異なります。
グリチルレチン酸は 11β-HSD 阻害を介して内因性コルチゾールの作用を増強し、
弱いながらも抗炎症効果を示します。
OTC 製剤ではステロイド量を抑えた設計において補助的に用いられることが多い。
代謝されると失活あるいは活性が低下するよう設計された薬物を アンテドラッグ(ante-drug)といいます。
アンテドラッグとして設計された外用ステロイドは、高い局所抗炎症作用を維持しつつ全身移行性を低減することを目的としています。
デルモベートを始め、強い〜最強クラスの外用ステロイドでは、
大量・長期・ODT 使用により眼圧亢進を来すおそれがあり、
白内障、緑内障が報告されています。
必ず医師の指導の下に使用すること。
抗菌剤配合外用ステロイドは、二次感染を伴う湿疹・皮膚炎に用いられますが、 安易な長期使用は 耐性菌選択 の観点から推奨されません。