74xx163 使用法 - キャリールックアヘッド
リプルキャリーをキャリールックアヘッド構成にすることにより 74xx163 多段カウンタの最大カウント周波数をカスケード接続構成に較べて改善することができます。
何で今さらこんな事を書いてるかというと、CPLD 全盛で HDL コンパイラまかせなのか、
74xx163 を使ったカウンタすらまともに設計出来ていない回路を散見するからです。
遠因には「最新 TTL IC 規格表」に載っていた同期カウンタの使用例が
あまり良くなかったのもあるかも知れません。
某大手制御機器メーカの製品の中には、カウンターのくせにミスコードが発生している
ものもありました。
知ってる人には当り前だけど知らない人は知らないのかもと思い書いておきます。
実際の使用に際しては電源のバイパスはもちろん、場合によっては終端を施す必要もありますのでご注意下さい。
[図1]キャリールックアヘッド4段カウンター回路例
キャリールックアヘッドを用いた場合の最大カウント周波数
fmax = 1 / (tpd-rc + tpd-and + tsu)
| tpd-rc | tpd-and | tsu | fmax |
HC | 49ns | 25ns | 43ns | 8.5MHz |
ALS | 26ns | 25ns | 13ns | 15.6MHz |
AS | 8ns | 6ns | 8ns | 45.4MHz |
カスケード接続の場合の最大カウント周波数
fmax = 1 / (tpd-rc + (N - 2) * tpd-enrc + tsu)
| tpd-rc | tpd-enrc | tsu | fmax(N=4) |
HC | 49ns | 49ns | 43ns | 5.26MHz |
ALS | 26ns | 17ns | 13ns | 13.7MHz |
AS | 8ns | 9ns | 8ns | 34.0MHz |
著者注
・今時は素直に高速CPLDを使うのが良い。
・ANDをダイオードロジックにしてもう少し改善できる場合もある。
・ディスクリートロジックで周波数が40MHzを超えたら 10H016 とかのECLを使うのが簡単。



© 2000 Takayuki HOSODA.