部品の個性を知る−コンデンサ
主なコンデンサの種類と特徴、主な用途を次に示します。
積層セラミックチップ
標準的に使用される。リードインダクタが極少。誘電損失も少ない。小型。
HFからUHF帯で使用。非常に安価。
ディスクセラミック
誘電損失はすくないが、リードインダクタが気になる。
温度補償用の物が豊富にある。HFからVHFで使用。
メタライズドフィルム
パルス耐性が高く、自己回復特性があるため、ライン
フィルタに良く使われる。おもに積層フィルムになっ
ているため周波数特性もそれなりに良い。
ポリプロピレンフィルム
誘電吸収が少ない。サンプル&ホールドや高精度のア
ナログ回路、オーディオ周波数帯フィルタに良く利用
される。誤差1%のものなども入手可能。リーク電流
特性は、ほぼ最良(TΩオーダー)。温度係数が小さ
い(−300ppm/℃)。比較的高価。
ポリフェニルサルフェート
使用温度範囲が広い(−40〜125℃)。温度係数
が小さい(−100ppm/℃)。誘電損失が少ない。
ポリスチレンフィルム
誘電吸収が少ない。温度係数はやや大きい。高温に弱い。比較的小容量。
主にオペアンプの位相補償などに使用される。
誘電吸収が少ない。温度係数はやや大きい。
ポリエステルフィルム
誘電吸収がやや大きい。安価。比較的大容量まで入手できる。
空気
周波数特性は最良。容量は小さい。気圧が低いと放電
に注意が必要。極板の腐蝕や異物による短絡に注意。
固体タンタル電解
リプル電流耐性が低く故障モードが短絡なので注意。
基本的には電源回路など低インピーダンス回路に使用してはならない。
リーク電流が少なく長時間の時定数回路に良く利用される。
高温に弱い。周波数特性が良い。比較的高価。
アルミ電解
標準的に使用される。
逆電圧や過電圧を印加すると破裂する。長時間使わないと容量抜けが起る。
寿命は化学的摩耗故障の為、2〜5千時間程度と短い。高温、振動に弱い。大容量のものが安価に入手できる。
低周波用。
有機半導体電解
周波数特性が、固体タンタル以上(10MHz程度)。
定格電圧の30%程度まで逆電圧が印加できるものがある。
あまり一般的ではない。
電気二重層電解
超大容量(数Fオーダー)。周波数特性は極めて悪い。
充放電電流は、数100μA前後しかとれないので、
主に半導体メモリーのバックアップ用に使用されてい
る。耐圧は6.3V程度と低い。
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