私の弟達が小学生の頃、夏休みの終わりの頃のことだった。
ご多分に漏れず「夏休みの自由工作」を一日でやろうとしている弟その1。
弟:「お兄ちゃん!何したら良いと思う? 」
私:「そーだなー。『スライム』でも作ってみる?」
合成洗濯糊を弟と一緒に買いに行く。不思議がっている弟その1。私は原材料のところをチェック。
この目的のためには、原材料がPVA(ポリビニルアルコール)100%のものが必要。
よけいなものは入っていないのが良い。
分子量も1万以上で大き目の方が『スライム』を作るには伸びが良いのだが、
洗濯糊として売られているものに、そんなことは書いていないので、
売っている適当なやつを全種類買って帰る。
続いて薬局に弟その1をホウ砂を買いに行かせ、母の台所から食紅各色を調達する。
『スライム』を作るには、PVAの洗濯糊を適量の水に溶かし、 別に用意した濃いホウ砂水を少しづつ加えながらいらなくなった割り箸などで良くかき混ぜる。この時、ウィップなんかを使うと 簡単なのだが、後で母のかみなりが落ちる可能性が大きいのと、 少しだけれども安全性に疑問が無いわけではないので使わない方が無難である。 かき混ぜているとだんだん、『スライム』っぽくなってくるので、 均一によく混ざったら、適量を取り分けて、別に用意した食紅で色を着けると よりおもちゃの『スライム』っぽくなる。
ここで調子にのってストロベリーエッセンスだの、バニラエッセンスだのを入れると、 とっても美味しそうなな感じになるのだが、子供が間違えて食べると あまり良くないと思われるので、やめておく。このままだとそれなりに不味いので 好きこのんで口にしても飲み込む子供もいないだろう。
なんて言いつつ、作り方を教えて、帰省先の親元から自宅に帰った私であった。数日後、 電話をして、弟その1に聞いてみる。
私:「例の『スライム』どうだった?」
弟:「すっげー大ブレイク!俺、ヒーローだよ!ヒーロー!」
弟:「買ってあった洗濯糊、バケツで全部『スライムに 』にして教室中で雪合戦みたいに投げまくり!」
私:「…全部…6リットル×n…。すげーや。」
弟:「先生から『スライム』禁止になるまで投げまくった!」
私:「で、どうだった?」
弟:「うん、やっぱり洗濯糊は生協のが一番のびが良いみたい!」